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らき☆すた。


かがみとこなた。


+ + + + + + + + + +
小説を捲る音と、マウスをクリックする音だけが部屋の中を満たしている。こなたの部屋にかがみが訪れることは、最近では珍しくなかったが、二人でいるときは大抵こうしてお互いに好きなことをして過ごすのが慣例になっていた。
それなら遊びに来る必要は無いんじゃないかと思われるかもしれないが、なんとなく、こうして部屋に一緒にいると落ち着くのだ。重要なのはその空気というか、雰囲気の部分であって、一人でいるときとは違った何かを、お互いに感じている。そしてそれをお互いにわかっているのが、また心地よい。


しばらくそんな時間を過ごしていると、こなたが急にむずむずとしだした。ライトノベルに集中していたかがみが、それを感じ取って顔を上げる。
「どうしたの?」
「んー……なんか耳がかゆくて……耳かきどこやったかな」
「あーあるわよねそういうとき」
こなたは引き出しを開け閉めしながら、耳かきを探しているようだった。なんとなく、かがみはそんなこなたを見ている。
「あ、あったあった」
ようやく目的のものを見つけたのか、こなたが引き出しから耳かきを取り出した。
しかし、それをすぐに使おうとせず、何故かかがみのほうをじっと見る。
「な、なに?」
「いやー、ちょっとね」
こなたはそういうと立ち上がって、ベッドに腰掛けていたかがみの隣にぽすんと音を立てて座った。怪訝な表情を浮かべたかがみを軽くいなして、こなたはそのままころんとかがみの太ももに頭を預けた。
「ちょ、何やってんのよ」
「何って、わかんないかなー」
こなたは事も無げにそう言って、手に持った耳かきをかがみに差し出す。さすがに、かがみもこなたが何を求めているのかわかったが、それにしても唐突だ。
「自分でやりなさいよ、そのくらい」
「えー、たまには人にやってもらいたいじゃん」
「たまにはって……いつも自分でやってるの?」
「うん。だってお父さんの膝枕とか勘弁してって感じだし、お母さんいないし」
その言葉に、かがみはうっと言葉につまる。恐らくこなた自身はそんなつもり無いのだろうが、その言葉はどこか卑怯だと思いながら、かがみは渋々差し出されたそれを受け取った。
「仕方ないわね……じっとしてなさいよ」
「わーい! かがみんやさしー」
全くコイツは、と思いながら、しかしこなたの頭の重さと、そこから伝わってくる体温は、かがみにとってもどこか心地よい。
なるべく優しく耳かきを動かすと、こなたはくすぐったそうにもぞもぞと動いた。
「動かないでってば。危ないわよ」
「だってぇ」
そんなやり取りも最初のうちだけで、そのうちこなたは気持ち良さそうに目を閉じた。
柔らかい耳かきの動きと、密着した頬で感じる暖かさ。それに身を委ねていると、だんだんと意識が真綿にくるまれるようにかすんでいく。
やば……くせになるかも……。
こなたが自分の思考をトレースできたのは、そこまでだった。


「はい、終わったわよ……こなた?」
しばらくして、かがみが声をかけると、こなたからの返事は返ってこなかった。もしかしてと思い少しその顔を覗き込んでみると、案の定こなたは目を閉じて、静かに寝息を立てていた。
「全く……」
小さく呟くかがみの顔は、しかしとても優しい。こなたの寝顔は幸せそうで、こうして見ていると高校生には見えなかった。
こなたの長い髪の毛をゆっくりと撫でる。掌と太ももからこなたの体温を感じる。
言いようの無い、幸せな感覚だった。
普段はどうしようもないことを言ったりする口は、時折もごもごと動くだけで、今は閉じられている。猫のようなその口から出る言葉や、声を思い出す。なんだかんだで、かがみはそれが好きだった。
頭を撫でていた手を、寝ているためか少し赤い頬に滑らせる。くすぐったそうに身をよじるこなたのしぐさがかわいくて、かがみは思わず頬を緩ませた。
その時、ん、と小さく声を上げたこなたに、かがみは起こしてしまったかと少し焦る。しかしこなたは器用に体を捻って仰向けになっただけで、また穏やかな寝息を立て始めた。
ふう、と小さく安堵のため息をつく。こなたのあどけない寝顔を失わせるようなことを、今はまだしたくなかった。その表情は、仰向けになったことで先ほど以上に良く見える。
なんとなくそれから目が離せずにじっと見つめていると、むにゃむにゃと動く唇に視線を奪われた。


触れてみたい。


本能に近い部分でそう思った。
再び頬に指を滑らせたかがみは、ゆっくりとそれを撫でてみる。さらさらとした感覚が心地よかった。そのまま、自らの本能に従うように、親指でこなたの閉じられた小さな唇にそっと触れてみた。思いのほか柔らかい感触にどきりとした。
もっと触れてみたい、という思いが頭をよぎる。
「こなた……」
唇に触れた親指を、かがみは自らの唇に寄せてみた。それだけで、心臓がうるさいくらいに高鳴った。
そしてその、自らの唇に触れた親指を、再びこなたの唇に……
「こなたー、ゆーちゃんがお菓子を……」


そのときドアを開けて入ってきたのは、こなたの父親のそうじろうで。
流れる沈黙。
そして動き出す時間。
「あ、あの! これはその!」
急速にムードが崩れたことで、自らがさっきまでしていた行動を改めて意識したのに加え、その状況を、よりにもよってこなたの親に見られたことで、かがみの顔は一気に赤くなった。そして赤い顔のまま慌てて弁解の言葉をつむごうとするが、そうじろうによってそれは制された。
「……良いんだよ、何も言わなくて。そうか、こなたも彼女が出来る年になったか……」
「いやいやいや! 色々間違えてますから!」
かがみが弁解する暇もなく、そうじろうは感慨深げに瞳を潤ませながら、回れ右の号令が掛かったかのように踵を返す。そして閉められるドア。
……どうしよう。
頭を抱えるかがみを尻目に、こなたの幸せな夢はまだ覚めそうに無かった。

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