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らき☆すた。


こなたとかがみ。


+ + + + + + + + + +

学校からの帰り道、いつものように寄り道を済ませ、こなたとかがみが二人で歩いているその途中。
普段はそれほど気に留めることのない建物の一つが、普段と違ってやけに騒がしいことに気付いたのはこなただった。
「なんだろうねかがみ」
遠目に見ても人が多いことが分かるそこを指しながらこなたが尋ねるが、かがみにももちろんわからない。
「パーティーでもやってるのかしら」
かがみは答えながら、色々な可能性を考えてみる。お祭り、とは少し雰囲気が違う。そこにいるのはスーツやドレスを着た人間ばかりだ。葬式なんて考えも浮かんだが、それにしては騒がしすぎる。パーティーというのが、やはり一番しっくりくるような気がした。
「パーティーかー、でもちょっと……あ、ほらかがみ」
そう言いながら、こなたはその建物の屋根の部分を指差した。かがみはそれに釣られるように視線を上に向ける。そこには、その場所が何であるかをはっきりと表すように十字架が立っていた。
「教会だったんだ。ってことは……結婚式?」
「そうかも知れないわね」
ちょうどその時、背の低いこなたからは見えなかったが、人ごみのその向こうから純白のドレスをまとって、手には綺麗に束ねられたブーケを持った花嫁と思しき人が現れた。
「やっぱり結婚式みたい。花嫁さんが出てきたわ」
「あ、かがみんずるい。私も見たーい」
「ずるいって……もうちょっと近寄ってみる?」
「よしじゃあ行ってみよう!」
「あ、ちょっとこなた!?」
待ってましたといわんばかりに、こなたが走り出す。少し出遅れながら、こなたの後を追ってかがみも走り出した。


絨毯の敷かれた教会の入口から、タキシードに身を包んだ新郎と新婦が腕を組んで出てくる。その表情はこれ以上無いほど幸せそうで、周りにいる人々も笑顔で二人に祝福の拍手を送る。
それをこなたとかがみの二人は、少し離れたい位置から見つめている。
「ジューンブライドってヤツね。きれい……。ね、こなた」
「……」
かがみが、憧れと羨望が入り混じった視線をそれに向けながら、ため息をつくように呟く。しかしこなたは、それが耳に入らなかったのかじっと呆けたように眼前の光景を見つめていた。その頬が、心なしか桜色に染まっているような気がして、かがみは結婚式の光景より、そんなこなたに目を奪われた。
しかしこなたはその視線にも気付く気配は無い。
「こなた?」
「え、あ、なに?」
「どうしたのよ、ボーっとして」
「んー、いや、ちょっとね」
こなたは少し赤くなった顔を隠すように、スッとそっぽを向いた。その仕草がなんだかかわいくて、かがみはニヤニヤとその顔を覗き込んだ。
「へぇ、こなたもやっぱりこういうの興味あるんだ?」
「……失礼な。私だって女の子だもん、そりゃ興味はあるさ……けど」
「けど?」
「私はどっちを着ればいいのかなーって」
こなたをからかおうと思っていたかがみは、そのよくわからない言葉に少しだけ考える。どっち、というのはどれとどれのことだろうか。
「ああ、教会でやるか神社でやるかってこと?」
思い当たってそう尋ねてみる。しかしこなたは首を振った。
「違うよ、ウェディングドレスかタキシード、どっちを着ればいいのかなってこと」
「……は?」
返ってきた言葉は全く予期していなかったもので、意味がわからずかがみはフリーズする。頭の中で、HDDがカリカリと音を立てているような感覚だった。
「いやさ、普段は『かがみは私の嫁』って言ってるんだから、普通に考えれば私がタキシードなんだろうけど、絶対かがみってタキシード似合うじゃん? ていうか、私としてはタキシード姿のかがみを想像するとたまらないわけなのだよ。でもかがみもウェディングドレス着たいでしょ? あ、そうだこの際だからお色直しみたいな感じで両方着るっていうのは……」
「いやいやいやいや、ちょっと落ち着けこなた。何言ってんだ」
「何って……私とかがみの結婚式のことだけど」
思いのほかあっさりと、しかしやはりわずかに頬を染めながら、こなたは答えた。
かがみの頭の中で様々なツッコミが浮かんでは消えていく。まず何から言えばいいのか……。


しかしそのうち、こなたの言葉に脳が勝手に想像しだしたウェディングドレス姿のこなたが、かがみの頭を占領し始めた。
その姿のこなたは赤い顔で俯いてかがみに向き合い、じっと何かを待っていた。かがみ(脳内)はそっと、その顔に掛かるベールを持ち上げる。こなた(脳内)は少し躊躇するような素振りを見せながら、しかし意を決したようにかがみ(脳内)を見つめた。かがみ(脳内)も優しくその瞳を見つめ返す。やがてかがみ(脳内)が赤く染まったこなた(脳内)の頬にそっと触れると、こなた(脳内)はピクリと肩を震わせ、しかし静かに瞳を閉じて……。


「っだぁああ!」
「うわ! どうしたのさかがみ!」
洒落にならない妄想に、かがみは頭を電柱か塀かどこでもいいから叩きつけたくなった。何が洒落にならないって、あまりにもスムーズにそんな妄想が出てきたことと、そのシチュエーションになんら違和感を持たない、むしろ「ああこんな日がいつか来るといいなぁ」とさえ思ってしまった自分自身が洒落にならない。
「帰るわよ!」
真っ赤になった顔を隠すように踵を返し、かがみは答えも聞かずに歩き出した。
「あ、待ってよかがみん! かがみはどっちがいいのさー!」
こなたはかがみの後を追いかけながら、なおもしつこくそんなことを聞いてくる。
「……こなたの隣に立てるなら、どっちでもいいわよ」
そんな言葉が浮かんできたけれど、まさかそんなことを口に出せるわけもなく。
代わりに「知るか!」とだけかがみは叫んだ。

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