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らき☆すた。


かがみとこなた。


+ + + + + + + + + +

柊かがみは早朝から焦っていた。それはもう焦っていた。
何故か。今日が五月二十八日だからである。張本が三千本安打を達成した日? 旧国鉄103系の落成日? そんなことはかがみにとってはどうでもいいことである。彼女にとってこの日の持つ意味は、泉こなたという人間の誕生日である、ということ以外にない。そしてそれこそが何より大きな懸案事項なのだ。
そのことを忘れていたわけでは断じてない。むしろ一ヶ月前には既に意識していたし、二週間前からはこなたを含む友人たちの誘いも断って、街で今日こなたに贈るべきプレゼントを必死に探していたのである。
しかし結局何も見つからないままこの日を迎えてしまった。ゲーム、漫画、アニメDVD、フィギュアと言ったアイディアは浮かぶには浮かんだ。しかし実際にそれらを探して見ると、とある事実が目の前に立ちはだかり、目ぼしいものは見つからなかった。というのも、こなたはそういう系統のもので欲しいと思ったものは自分である程度手に入れてしまうのである。バイトをしているのでかがみより財力もある。「欲しいな」と言ったものは、次の日には「買っちゃったー」などと言いながら喜んで見せてくることがしょっちゅうだった。
かといって、そういった系統以外のものでこなたが欲しがるものはかがみには思い浮かばなかった。そもそもこなたは興味を持ったこと以外にはとことん無頓着なのである。適当に選んでツボを外しでもしたら目も当てらない。
さて、どうしようかと悩む。既に制服には着替え、鞄の中に教科書も積めたが、学校を休んでしまおうかとすら考える。妹のつかさは昨日の夜にクッキーらしきものを焼いていたから、恐らくそれを渡すのだろう。かがみにはその選択肢は選べない。何故なら料理は唯一に近い、彼女の苦手分野だからである。
いや、そもそもその前に「プレゼントを渡さない」という選択肢もあるのではないだろうか。「ごめんね、いいのが思い浮かばなかったからケーキでも驕るわ」とでも言えば、友人なら軽く納得してくれるに違いない。
しかし、かがみにとってその選択肢は元より頭には無い。泉こなたがこの世に生まれたことを、そんな言葉で誤魔化せようか、否である。それほどまでに、かがみにとって彼女は大事な存在だった。むしろLOVEである。
さて、どうしようか。時計を見た。そろそろ家を出ないと学校に間に合わなくなってしまう時間帯である。頭の中で、もしくはこなた曰く腹の中で、かがみの体内時計がカシャカシャと音を立てて計算を始めた。放課後、一目散に街へ行き、何か見つけてそれをこなたの家に持っていく。その一連の行動をシミュレーションしてみる。果たして二週間かけて見つからなかったものがそう簡単に見つかるだろうか。リスクが大きい。
その時かがみは閃いた。放課後から探すことに時間的問題を感じるなら、今から探せばいいではないかと。学校? 行くとも。目的を達成したその後で。
ちょうどその時、かがみの部屋のドアをつかさが開いた。既に制服を着て、学校に行く準備は万端といった感じである。
「ごめんつかさ、私体調悪いから今日休むわ」
制服のまま鞄を持って、その言葉と同時に部屋を飛び出した。「お姉ちゃん!? 体調悪いなら寝てたほうが!」という妹の声が聞こえてきたが、心の中でだましてごめんと誤りながら軽やかに無視した。
あっさりだまされるつかさの将来に感じた一抹の不安も、今は気にしないことにした。


制服のまま朝の街を歩くのは、なかなか新鮮な感覚だった。しかしそんな感覚を味わっている余裕はかがみには無い。意気込んで飛び出したのは良いものの、まだ人々の生活が動き出すには少し早い時間帯で、多くの店は開店前だった。
失敗したと思いながら、まだシャッターが閉まっている店の看板などを見てまわる。今のうちに、ある程度の目星くらいは付けておこうと思いはするが、やはりそうそう良いアイディアが浮かぶはずもなく。
しばらく歩き回り足の疲れを感じ始める頃になると、朝の空気は既に大分薄れて、いくつかの店はシャッターも上がり始めた。書店、文具店、玩具店、色々と見てみるものの、芳しい結果は得られない。
いつの間にか日はかなり高くなっていた。これは、学校に行くことは諦めないといけないかもしれない。
行き詰まりを感じたかがみは、なんとなくゲームセンターに足を運んでみる。昼間ということでそれほど人は多くなく、大学生と思しき数名がアーケード台に座っているくらいしか客の姿は目に付かなかった。
プライズが並ぶエリアをざっと眺めてみて回る。ぬいぐるみ、はあまりにも子供っぽい。フィギュアもイマイチ。やはりいいものは見つからないかと諦めかけたかがみの目に、安っぽいアクセサリーが映った。
アクセサリー。
プレゼントの王道なのに、どうして今まで思い浮かばなかったのだろう。こなたが普通の人とは違う感性を持っているから、無意識のうちに候補から外していたのだろうか。
奇をてらいすぎた、というよりこなたという人種に縛られすぎていたけれど、ここはオーソドックスに走るのも一周して逆に良いかもしれない。さすがにゲームセンターのプライズで済ますつもりはなかったので、とりあえず先ほど歩き回っているときに目にしたアクセサリーショップに急いだ。

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